カーケア業者 選びの際のポイント

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洗車で重要な要素は「確実性」と「安全性」

カーケア業者 選びのポイントの前に、まずは洗車で重要な要素について説明させていただきます。

クルマの塗装面にシミができてしまう最大の原因は、付着した汚れを長期間の放置してまうことです。下の写真はシミとして固着するかどうかのボーダーライン上にある汚れです。この段階であれば、洗車で落とすことが可能です。ただ、このまま放置すると、次回の洗車では除去不可能なシミになっている可能性があります。

クルマの美観を維持するには、汚れがシミに変わる前に確実に除去することが必要です。

どんなに経験や訓練を重ねたとしても、クルマを隅々までキレイに仕上げるには相応の時間が必要です。

当社では定期仕上げの契約車両を仕上げるのに、毎回3時間以上の時間を費やして仕上げています。正直なところ、それでも「完璧にキレイにできた」と断言することはできません。何故なら、洗車等の清掃作業には明確なゴールが存在しないからです。清掃作業は、手を抜こうと思えばいくらでも抜けるし、拘れば拘るほどにゴールは遠ざかってしまうものです。

ゴールの無い仕事

とはいえ、洗車サービスとして提供するためには、ある程度の線引きが必要です。要するに、自社としての品質基準です。定期仕上げにおける当社のミッションは、契約車両の美観を維持することです。ですから、毎回の作業の品質基準は、放置するとシミになる可能性のある汚れを確実に除去できているかどうかです。

3時間以上かけて仕上げても「完璧にキレイにできた」と言えない当社からすると、30分や1時間程度の短時間で仕上げる洗車業者は、自社サービスの品質基準をどのように定めているのか興味津々です。

ところで、仮に短時間でキレイに仕上げられる洗車サービスがあるとすれば、それはそれで別の怖さがあると考えます。その怖さとは「安全性の欠如」です。

短時間でクルマをキレイに仕上げる手段は2つです。

1 強力なケミカルを使用する

汚れ除去能力が高い強力な薬剤を使ったり、素早く汚れを除去するためにコンパウンド等の研磨剤を使う方法です。ただ、強力な化学物質は拭き残してしまうと、塗装面に悪影響を及ぼす可能性があります。人間の皮膚も化学物質により炎症等の副作用を起こすことがありますが、クルマの塗装面は、人間の皮膚のような再生能力はありません。

また、コンパウンド等の研磨剤を使えば、汚れを簡単に除去することが可能です。ただし、研磨剤の本来の用途は塗装面を研磨することです。ただ、汚れは時間をかければ研磨剤等使わなくて除去可能です。除去する時間を短縮するためだけに、本来必要のない研磨剤を使うことはクルマにとってリスクでしかありません。

2 作業スピードを上げる

作業時間の短縮は人件費の削減に直結するので、料金の引き下げも可能です。それは、洗車サービス利用者にもメリットがあるように感じられますが、かなり恐ろしいことであることをご理解ください。

どんなに経験や訓練を重ねたとしても、作業スピードを上げれば、確実に作業の精度と安全性は下がります。

年末になると洗車のご依頼は極端に増えます。その依頼を全て受けようとすると1台のクルマに費やせる時間は自ずと短くなります。「キレイになっていない」というクレームだけであれば、お詫びすれば許してもらえるかもしれません。でも、作業ミスでクルマにキズを付けてしまったら一大事です。

そんなこともあり、当社では年末だけの洗車のご依頼は全てお断りしています。プロの洗車業者ですから、キレイにするのは当たり前なのですが、それは「安全性」が確保されていてこその話なのです。

 

同じ発音でも「手洗い洗車」と「手荒い洗車」は別物

こんなことを口にされる方は多いのではないでしょうか。

自分はクルマを大切にしているので
洗車機は使わずに手洗い洗車を利用している

ただ、ほとんどの方が利用されているのは、ガソリンスタンドの手洗い洗車サービスです。それらの多くは3千円程度のリーズナブルな料金で受けられるようです。でも、その料金水準の洗車サービスの場合、1台の仕上げに費やせる作業時間はせいぜい30分程度、長くても1時間程度かと。

そんな短時間で「確実性」と「安全性」が確保された作業が可能でしょうか。

ちなみに、最近の洗車機は一昔前に比べ、かなり高性能になっているようです。多数のセンサーとコンピューターで制御された精密機械は、人間より正確な作業を行うかもしれません。もちろん、熟練の職人の手作業と単純比較するのはナンセンスかもしれませんが、少なくとも、経験の少ない未熟な人間よりは正確な動きをする可能性は高いかと。

作業対象物に加える力を完全制御できる機械に対して、洗車経験の乏しいアルバイトのスタッフが加えてしまう過度の力は、クルマにとっては脅威以外の何物でもありません。ですから、冒頭のようなことを口にされる方に対して、当社はこのようにアドバイスをしています。

洗車機による洗車を推奨しているわけではありません。ただ、人の手で洗うからといって、それが必ずしも安全だと考えない方が賢明です。「手洗い洗車」と「手荒い洗車」。同じ音ですが全くの別物です。前者はクルマの状態を知り尽くした職人の手による優しい洗車。後者は手作業だというだけで、むしろ洗車機よりも危険かもしれない洗車です。愛車の洗車を任せるのであれば、誰がどのような作業をしているか、実際に見てから判断されるほうが良いですよ、と。

 

悪質なのは「やれるのに、やらない」 カーケア 業者

先述の「手荒い」洗車は低料金ですので、短時間の作業での仕上げであるのは当然です。また、低料金でのサービス提供を実現するために、洗車経験の浅いアルバイトスタッフが作業することになることも避けられません。利用者も十分理解した上でサービスを受けることが必要です。

その「手荒い」洗車は、クルマにとってはリスクがあるとはいえ、できるだけ安い料金で手洗い洗車サービスを利用したいといった、世の中のニーズに応えているという点で存在価値があると考えます。

ただ、当社としては、「手荒い」洗車よりも悪質だと考えている洗車サービスがあります。それは、決して安いとはいえない料金をいただいているにも関わらず、それに見合ったサービスを提供していない業者です。

大手プロショップのフランチャイズ登録していれば、本部から技術指導やサポートを受けられます。また、高性能なケミカル剤や機材等の提供を受けることもできるはずです。また、料金設定も比較的高水準ですので、作業時間を十分確保できるため、高品質の洗車サービスを提供できるはずです。

でも、実態はそうともかぎらないようです。

当社の契約者の大半は、以前は全国展開している某プロショップを利用されていた方です。当社の定期仕上げ契約の料金は、決して安い水準ではないと思います。ですから、定期仕上げ契約を検討いただける方は、愛車の輝きを維持するためには、ある程度の料金が必要であるとお考えなのだと思われます。

ただ、それなりの費用を支払ったにも関わらず、徐々にクルマ全体にシミが増え、愛車の状態が明らかに悪化してしまった。そして、当社にご相談いただいたということです。

当社への初めてのご依頼の段階では、ガラスコーティング施工の有無や、以前はどうやって洗車されていたかといった情報は確認しないようにしています。クルマの状態を見れば想像できるので、事前情報による先入観を持たずに、クルマの状態と向き合うようにしています。

ちなみに、某プロショップを利用していた方のクルマには、ある共通した特徴がみられる傾向があります。それは、腰より高い部分と膝より低い部分、要するに、目立ちやすい箇所と目立たない箇所の状態に、極端な差があるということです。

件の「手荒い」洗車を利用していたクルマは、全体的に状態が悪い傾向です。それに対して、某プロショップ系の洗車サービスを利用していたクルマは、目立つ箇所は非常に良好な状態ですが、ボディ下部等の目立たない箇所には、ピッチ、タール、鉄粉等がこびりついており、非常に悪い状態である傾向があります。

要するに、「出来ない」のではなく、「やらない」だけなのです。

クルマに付着する汚れは、路面に近い下部の方がシビアであるのは言うまでもありません。そして、下部をキレイに仕上げるには相応の技術と労力が必要です。本来プロの洗車業者が力を注ぐべきはそういった箇所であるべきです。

そういうプロショップは、作業ブースを見学できることも多いと思いますので、どんな姿で作業しているか見学してみてください。きっと、高圧洗浄機等の機材を上手に使い、流暢でスピーディーな身のこなしをされていたりして、見ていても楽しく、きっとプロっぽいと感じるかと。

それに比べると、当社スタッフの作業風景は地味だと感じられるはずです。特殊な機材等は使用ませんし、派手な動きをすることもありません。でも、クルマの汚れを除去する作業はタイムトライアルでもなければ、パフォーマンスでもない。洗車というものは極めて地味な作業なのです

当社スタッフは、膝を着いて作業している時間が非常に長いです。

何故なら、その体勢にならないとクルマの下部の汚れを目視できません。人間の筋肉は、目から入る視覚情報を元に動きます。顔の髭を剃る際に、剃る箇所を鏡に映して剃ると上手く剃れるはずです。ただ、鏡に映さないで髭剃りを当てても、上手く剃ることができないのと同じです。

ですから腰を折り曲げ腕だけ下げた姿勢で、膝も着かずにクルマの下部をキレイにしようとしたところで、キレイになるわけがないのです。洗車スタッフのつなぎの膝の状態を見れば、その業者の真面目さが一目でわかるはずです。「膝を地面に着かない作業は、プロの洗車に非ず」、当社はそう考えています。

 

カーケア業者 の甘言に惑わされないようにする

カーケア業者 に限らず、調子の良いことばかり口にする人は信用できないものです。まさに、論語の「巧言令色鮮し仁」(こうげんれいしょくすくなしじん)という孔子の教えの通りです。

カーケアの世界においても、甘い言葉ばかり投げかけてくる業者を過度に信用しないことが賢明です。

世の中には、洗車が趣味だという方もいるようですが、そんな方は極めて少数派だと考えるべきです。大多数の方は、「洗車なんかしたくない。できるだけラクして愛車の美観を維持したい」と考えるのが自然です。カーケア業者 は、以下のような甘言で、そんな心の隙間を狙い撃ちしてきます。

・このコーティングを施工すれば、汚れづらくなるから洗車の回数が減らせます
・このコーティングは、洗車だけで効果が〇年間持続します
・この撥水剤を塗るだけで、撥水力が〇ヶ月持続します!

この類の謳い文句は科学的根拠に乏しいものが大半ですが、根拠が乏しいが故に、否定することも難しいといえます。世の中の多くのオーナーの深層心理に訴えかける言葉なので、軽く聞き流せないのが厄介です。

以下のような謳い文句に至っては、当社的には誇大広告でしかないと考えますが、残念ながら、当たり前のように使われています。

・誰でも簡単にキズが消せます!
・このタオルは絶対にキズがつきません!
・当社の洗車は洗車キズをつけません!

誰でも簡単にキズが消せるなんてことを謳っている商品は、コンパウンド等の研磨剤を含んだカーケア用ケミカル剤です。こういった謳い文句をみかける度に、カーケアの世界に身を置くものとして、こんな乱暴な販売手法が本当に許されるものなのかと、心を痛めています。

クルマの塗装面のキズを消す方法は2通りしかありません。

1 塗装面を研磨してキズを消す
2 キズを何かで埋めてしまう

なお、再塗装するというのは、キズを消す行為とは別物と考えるべきです。

ちなみに、キズは塗装面が物理的にえぐれてしまった状態です。コロラド川によってできた、グランドキャニオンをイメージいただくと分かりやすいのではないでしょうか。もし、そのグランドキャニオンを消そうとしたら、どんな手法が考えられますか?

谷間全体を土砂で埋めてしまう。もしくは、コロラド川の川底の高さに合わせて川岸を削って平面にする。カーケアの世界で前者の手法に該当するのが、ワックス等のケミカル剤による処置、後者の手法に該当するのが研磨処理といったところでしょうか。

前者の手法は、後者の手法に比べれば比較的容易だと思われます。大量の土砂を谷間に流し込めば良いだけのことですから。ただ、大雨が降れば、その土砂は意図も簡単に流されてしまうのかもしれません。ワックスでキズを消せる(隠せる)なんていう方がいます。ただ、そんな処置は一時的な気休めに過ぎません。

後者の手法を用いれば、一帯をキレイな大地に復元することが理論上可能となります。ただ、この作業はとてつもなく大変です。また、削った岩盤は復元しないので、この処理を繰り返すことには無理があります。

話をクルマに戻します。研磨によりキレイな塗装面を復元可能ですが、ポリッシャー等の機械を使わず、手作業で完全な平面を復元することは困難です。また、この作業には熟練の技術が必要であり、削れる塗装面の厚さには限界があるということを忘れてはいけません。

つまり、クルマのキズを誰でも簡単に消せるケミカルなんてあり得ないのです。

そのようなケミカル剤の宣伝で多用されるのが、ドアカップの爪痕消しです。ドアカップにできる爪痕は、爪でついたキズに汚れが溜まっている状態です。そして、この汚れを除去すると、あたかもキズが消えたように見えてしまうのです。それを「キズが消える」なんて表現するのは、詐欺スレスレのやり方かと。

冷静に考えてみてください。ドアカップは複雑な形状をしている上に、ドアハンドルがあるので、作業自体が困難です。そのような箇所を、素人の手作業でキズを消して平面にできるなんてことが、本当に有り得ると思いますか?

いずれにせよ、「誰にでも簡単にキズが消せる」と謳っている時点で、そのカーケア用品メーカーには誠意を感じないので、その商品の購入は見送るのが賢明かと。

次に「絶対にキズがつかない」と謳うタオルやスポンジ。

この類の謳い文句を、軽々しく使用するカーケア用品メーカーも信用できません。

洗車キズができる主たる要因は、使用する道具の問題よりも、その使い方の問題です。どんなに柔らかい繊維のマイクロファイバーを使っても、力の加え方を間違えば、簡単に洗車キズがつきます。逆に、ただの温泉タオルを使っても、理想的なタオルの使い方をすればほとんどキズはつきません。この手の謳い文句にも注意すべきかと。

あと、こんなことを言う洗車業者も多いようです。「絶対に洗車キズをつけません」と。

毎月定期的に、同じクルマを洗車し続けている当社としては、こんな台詞を軽々しく口にすることはできません。なぜならば、どんなに丁寧に作業をしたとしても、洗車キズをゼロにすることはできないことを、嫌というほど理解しているからです。

もちろん、「当社の洗車はキズがつきます」なんて開き直っているわけではありません。先ほどのようなセリフを口にできるのは、その洗車業者が、専属洗車業者として定期的な洗車を任されているわけではないからだと推察します。

残念ながら、洗車キズを一切つけずにクルマをキレイにすることは不可能です。ただ、当社はこの事実から目を逸らさずに、正面から向き合っています。だからこそ、その洗車キズを極限まで減らすための努力を重ねられるのだと考えています。

お客さまから「洗車キズはつくの?」と聞かれたら、「残念ながらついてしまいます。ただ、当社はそれを極限まで減らす努力をさせていただきます」と回答しています。

また、多くの洗車業者は「ピッカピカになります!」なんてことを謳っています。洗車業者なんだから当然だと思われがちですが、極限まで汚れに向き合っていると、そう簡単に口にできない台詞だったりします。ですから、お客さまから「キレイになるの?」と聞かれたら、「終了後に汚いと言われたことはありません」という程度にお答えしています。

 

カーケア業者 選びの際は失言を聞き逃さない

いい加減な カーケア業者 を見逃さないための大切なポイントをお伝えします。

以下の3つは車体色に関する表現ですが、耳にされる機会は多いのではないでしょうか?

・黒は汚れやすい
・黒はキズがつきやすい
・黒は洗車が大変だ

この表現に違和感を感じる方は少ないかもしれません。でも、これら3つは全て間違いです。間違いというより、勘違いと表現するほうが適切かもしれません。正しく言い換えると以下のようになると思います。

・黒は汚れが「目立ち」やすい
・黒はキズが「目立ち」やすい
・黒「も」洗車が大変だ

多くの方に冒頭のような勘違いをさせている犯人は、間違いなくカーケア業界であると考えています。

例えば、「黒は洗車が大変なので、違う色にした方がラクですよ」と言って別の色をオススメする営業マンもいるようです。当社に言わせれば、全く意味不明の話であり、オーナーが一番欲しいと思う色のクルマを買えば良いのです。世間でクルマのプロと思われている方が口にする何気ない一言が、一般の方の記憶には残りやすいのだと思っています。

また、クルマの塗装色が黒の場合に、割増料金を請求するカーケア業者もいます。冷静に考えると非常に変な話です。しかしながら、「黒=大変」という方程式が脳裏に焼き付いているので、この割増料金もやむを得ないものとして受け入れてしまうのでしょう。

クルマの「キレイさ」を同じレベルまで到達させるとすれば、本当に大変なのは、黒色のクルマではなく、むしろ淡色系・パール系・シルバー系のクルマです。なぜならば、汚れが目立ちにくいので、様々な角度から見直す必要があるからです。その点、黒色のクルマの汚れは、比較的簡単に確認できます。

また、キズが目立ちにくい淡色系等のクルマは、キズが目立ち始めた頃には、既に手遅れな状態になっていることも多いです。一方、キズが目立ちやすい黒色や濃色系のクルマは、手遅れになる前に気付くことができるので有利であるともいえます。

黒色のクルマの場合に割増料金を請求する業者のいい分は、「黒色のクルマは作業が大変だ」ということなのでしょうが、それは、このように公言しているのと同じであるといえます。「黒色のクルマは手を抜けないから大変」だと。

最後に、本当に怖い話です。

誰もが知っている某メーカーが製造する、カーケア用品の商品ラベルや使用説明書にこんなことが書いてあります。その他のメーカーも、同様のことを書いていたりします。

「黒や濃色系のクルマはブラシキズが目立つので洗車機ではなく手洗いをおススメします!」

きっと多くの方がこう思うはずです。「なんだ、そんなの当たり前じゃないか!」と。

でも、冷静に考えてください。この短いフレーズに、嘘はひとつも書いていません。もし、「黒色や濃色系のクルマはキズがつきやすいので」と書いてあれば嘘ですが、キズが「目立つ」と正しく書いてあります。

ただ、「目立たなければ問題ない」と カーケア業者 が公言していることが怖いのです。

一般の方が口にするならともかく、大手カーケア業者が書いていることが恐ろしいのです。当社ならば、「全ての塗装色のクルマ」のオーナーに対して、洗車機ではなく手洗い洗車をおススメします。なぜならば、プロとして、目立たないからこその怖さを知っているからです。

 

カーケアでもインフォームド・コンセントは必要

愛車のヘッドライトの黄ばみが原因で、頭を抱えているオーナーは多いかと。温浴施設で実施している洗車サービスにおいても、ヘッドライトの黄ばみに関するご相談は多いです。ただ、ヘッドライトの黄ばみの話は、デリケートな話を含んでいます。ですから、当社としても、時間をかけてご説明をさせていただいています。

まず、ヘッドライトの黄ばみの原因について、正しく理解いただくことが必要です。

ヘッドライトが黄ばんだり白く曇ってしまう直接の原因は、樹脂レンズ表面に施してあるクリア塗装の劣化です。つまり、黄ばみや曇りを解消するには、その劣化したクリア塗装を剥ぎ取るしかありません。そして、劣化したクリア塗装の剥ぎ取り方は2つ。研磨して削ぎ落すか、強力な薬剤で溶かすかのどちらかです。いずれの方法も劣化した表層を剥ぎ取るので、レンズの透明感は確実に復活します。

ただ、問題はその後です。

剥ぎ取られたクリア塗装は、紫外線等の影響で劣化しやすい樹脂レンズを保護する目的で施工されていたものです。それを剥ぎ取ってしまうのですから、その後、再度クリア塗装をするか、プロテクションフィルム等で保護してあげることが必要です。ただ、それらの処置は、相応の手間が必要ですでの、ガラスコーティングを施工するのが一般的なようです。

その際に、ガラスコーティングの効果が、1年程度持続すると説明している業者が多いようです。ただ、実際には、適切なアフターケアをしている場合でも、効果持続期間は数か月程度であると考えるのが賢明です。そして、コーティング皮膜が喪失し、樹脂レンズが剥き出しになった時に何が起きるのかということは、ご想像に難くないかと。

数ヶ月後に再発して、施工前よりも悪化してしまうのです。

ヘッドライトの黄ばみの原因を「経年劣化」の一言で で片付ける業者は多いです。でも、その業者は、黄ばみ解消の技術は持っていたとしても、カーケアについては素人であると判断すべきです。

ヘッドライトレンズの黄ばみや曇りの直接的な原因は、クリア塗装の劣化であると説明しました。ただ、その根本的な原因は、あくまでもレンズ表面に付着した汚れの放置です。紫外線の影響だけで劣化するわけではなく、表面に付着した汚れが原因です。要するに、オーナーが定期的な洗車を怠っていただけのことです。

レンズ表面に付着した汚れを定期的に除去していれば、5年や10年程度の短期間で、ヘッドライトレンズが黄ばむことはありません。ヘッドライトが黄ばんでいるクルマのオーナーは、残念ながら、定期的な洗車をしない方だと証明されています。ガラスコーティング皮膜も、汚れが付着したままだと劣化が早まります。つまり、研磨後に施工したガラスコーティング皮膜も、かなり早期に喪失すると考えるべきです。

ヘッドライトの黄ばみ原因は経年劣化なので不可抗力であると、オーナーに説明することは、優しい対応に感じるかおしれません。でも、その対応は、オーナーにとって良いことなのでしょうか?

本当の原因は、オーナーが洗車を怠っていたことですから、オーナーにとっては耳の痛い話です。でも、本当の原因をご理解いただき、再発リスクと再発防止方法を説明しなければ、根本的な解決には至りません。きっとそのオーナーは、その後も、再発と再施工の無限ループという負の連鎖に陥ってしまうはずです。ちなみに、再発防止策として、定期的な洗車をするという方法以外の選択肢はありません。

この話は、勝手な憶測や推測で書いているのではありません。一時的にヘッドライトの輝きを取り戻したものの、その後、再発させてしまった多くの方から、多数のご相談を受けています。当社としては、そのような方な悲しい思いをされる方を一人でも減らしたいと考えています。

ヘッドライトの輝きを取り戻すサービスの広告を見る機会は多いと思います。でも、その施工業者は、ヘッドライトの黄ばみの本当の原因や、施工後の再発リスク等の説明はしてくれていますか?

もし、本当の説明をしてくれていないとすると、その業者が単に理解をしていないのか、もしくは、あえてその事実を伝えていないだけかもしれません。だって、オーナーが嫌がる話をせず、経年劣化で簡単に片づけてしまえば、施工を依頼してもらいやすくなるのですから。

あらゆるリスクについても十分な説明をした上での合意、つまり 「インフォームド・コンセント」は、 医療の世界だけではなくカーケアの世界でも求められるべきだと考えています。

 

カーケア業者 選びのポイント(まとめ)

色々な観点で説明させていただきましたが、こういったことを念頭におき、カーケア業者の発する言葉に耳を傾けてみてください。また、一方的に説明を受けるだけでなく、色々と質問をしてみてください。その答えを聞くことで、そのカーケア業者の考え方やスタンスが窺い知れるはずです。

最後に、カーケア業者のことを本当に知るための最も有効な方法をお伝えします。

それは、カーケア業者のスタッフのマイカーを見せてもらうことです。自分のクルマをキレイに維持できていない人に、他人のクルマをキレイにすることは絶対に不可能です。

さらに、もっと簡単に知るには作業風景を見学してみることです。一目瞭然でその業者の本質が見抜けるはずです。ルーフの上はどうやって拭いているか?車体の下部の汚れは、どの程度真面目に処理しているか?、などなど。

なお、ガソリンスタンド等で行われている手洗い洗車サービスで、車体の下部を仕上げる際に膝をついて作業している光景を見たことがありますか?

おそらく、立ったまま、腰を曲げ腕だけ下げて車体下部を拭いていることがほとんどのはずです。でも、こんな横着な拭き方では、クルマの下部に付着する頑固な汚れは絶対に落とせません。膝をついて目線を下げないと、その高さの汚れは落とせません。人間は目から脳に入ってきた視覚情報を元に、腕の筋肉に指示を出すようになっています。

洗車の作業で一番大変な作業は、お客さまからは目立たないルーフの上や車体下部の仕上げです。当社は作業時間の大半を、そのような箇所の仕上げに費やしています。膝をついて作業をしている時間が長いので、当社スタッフのツナギの膝は何度も破れて補修を重ねています。

洗車屋の膝は全てを物語る

カーケア業者選び の際のポイント

洗車業者の真面さは、ツナギの膝を見れば分かります。

洗車屋の膝は全てを物語る

洗車屋の膝は全てを物語る

当社代表者が新車から24年乗り続けているS15シルビアです。