理想のカーケア は変わらないこと

劇的ビフォーアフターは人に感動を与えます。しかしながら、劇的ビフォーアフターではなく、作業前後のビフォーアフターが顕著でないことが 理想のカーケア です。最良の状態で維持していれば、劇的ビフォーアフターなんて起きませんから。でも、美観を維持できていると、キレイなことが当然のことになってしまうので、ついつい感動する気持ちを忘れてしまうのかもしれません。でも、それで良いのです。

ボディ一面シミだらけになって輝きを失った塗装面が、研磨により輝きを取り戻した時のオーナーの感動は、想像に難くないのではないでしょうか。

研磨作業後にガラスコーティングを施工するのが一般的です。それ自体は極めて普通のことです。ただ、その後の業者の余計なひとことが、全てを台無しにしてしまう可能性があります。その余計な一言というのは、こんなセリフです。

このコーティングの効果で汚れにくくなるので、洗車の回数を減らしても大丈夫です!

このクルマのオーナーは、定期的な洗車により汚れを除去できていなったから、ボディに大量のシミができてしまったわけです。それを、大切な塗装面の厚みを減らしてまで研磨して、再び輝きを取り戻したばかりなのに、どうしてそんな余計なアドバイスをしてしまうのか不思議でなりません。

その業者が、そのコーティングにより本当に汚れにくくなると信じているのであれば、自分自身のクルマに施工して試してみるべきです。また、実はそんな効果がほとんどないと知っていて言っているのであれば、かなり悪質です。

そのアドバイスに従って、本当に洗車の回数を減らしてしまったオーナーは、1年後、再びシミだらけになった塗装面を見て、がっくり肩を落とすのでしょう。でも、そんな余計なアドバイスをする業者にかぎって、こんな意味不明な謳い文句を掲げたりします。

1年に1度、愛車が新車に戻る!

シミだらけになった塗装面を毎年研磨して、新車のようにキレイにするということのようです。でも、それはつまり、1年前に施工したコーティングの効果が無いと認めているともいえるのではないでしょうか?

この悪循環がもたらす本当の悲劇は、毎年研磨されて大切な塗装面が薄くなってしまうということです。

誤解のないようにお伝えしておきます。当社は研磨やコーティング自体を否定しているわけではありません。塗装面のシミや洗車キズを消すためには研磨する以外の方法はありません。また、ガラスコーティングは、一定期間にかぎり、犠牲皮膜として塗装面に洗車キズがつくのを防いでくれる頼もしい存在です。ただ、その素晴らしいものも、業者の説明次第で最悪の代物になるということをご理解いただきたいのです。

カーケアの世界では、劇的ビフォーアフターの感動は、それまでのカーケアが適切でなかった証であり、ある意味で最悪の状態を意味します。

理想のカーケア にほど遠い説明をする業者

2023年5月1日 当社代表者の杉山隆の投稿