そのワックスは撥水ですか?
この手の質問をいただく機会は非常に多いです。このご質問は洗車用ケミカルについて研究熱心な方に多い質問ですが、撥水の他に親水や疎水等といった特性についての情報もお持ちなのだと思います。実際、含まれている成分によって形成される皮膜の特性が違うのは紛れもない事実です。ただ、当社としてはそんな特性はあまり大きな意味を持たないと考えています。
撥水を好む方は、「洗車後に水を弾いているのを見るのが好き」といった感覚的な理由であることも多いようですが、「水を弾くことで汚れも弾くから洗車の回数が減らせる」というイメージを一部のカーケア業者やカー用品メーカーに受け付けられていると言わざるを得ません。何故なら、撥水性の皮膜を形成すれば汚れにくくなるなんていうのは幻想に過ぎないからです。施工直後に水をかければ綺麗な水玉になって水を弾くの事実で、その結果汚れも付着しずらくなるのは事実でしょう。でも、そんなのは施工直後のみです。洗車後1週間もすればクルマは必ず汚れているはずです。それで洗車の回数が減らせられると本当に思いますか?
そして、撥水の対抗馬としてアピールされるのが「親水」や「疎水」です。それらをアピールする業者の主張はこんな内容のものが多いのかと。撥水のデメリットは雨が降った後に塗装面にできる水玉がレンズの効果になって塗装面にウォータースポットを誘発する要因になる。一方「親水」は水玉を作らないからその心配が無いです、といったもの。確かにその理屈には納得できる要素が多いのは事実ですが、親水の方もそんなに上手くはいかないのが現実です。
親水性の皮膜がその効果を発揮するためには皮膜上に汚れが乗っていないことが条件です。施工直後に水をかけたらだーっと流れるのは当たり前です。問題は施工してから3日後、1週間後、3週間後にもそのような状態でいるかという話です。答えは「否」です。親水性がその効果を発揮するためには、施工後も相当な頻度で洗車をして皮膜上の汚れを除去し続けていることが条件になります。つまり、屋内ガレージに常時保管しているような状態のクルマでもないかぎり、撥水でも親水でもあまり大差がないとお考え下さい。要するに単なる好みのレベルの問題なのです。
ところで、当社のオリジナルワックス「ポラリスコート」が形成する皮膜は撥水性の皮膜です。前述の撥水性のワックスのデメリットが本当に存在するならば、それを使って毎月仕上げている定期仕上げのクルマはシミだらけになっているはずです。ただ、その撥水性のワックスを使って仕上げている結果として、定期仕上げのクルマにはシミがほとんどありません。何故だと思いますか?
答えは極めてシンプルです。クルマにシミができるかどうかは使用するケミカルが撥水性なのか親水性なのかといったことで決まるわけではなく、定期的に洗車してシミの原因を確実に除去できているかどうかだけの問題であるということです。