ディーラーやコーティング専門店等でコーティングを施工すると、たいていは「メンテナンスキット」といった名前の箱を受け取ると思います。ただ、そのメンテナンスキットは未使用のままトランクで眠っていることがほとんどです。
ここで注目すべきなのは、メンテナンスキットは未使用であったとしてもその役割を十分果たしているということなのです。 この意味が分かりますか?
コーティング施工後にクルマを引き渡される瞬間は心が踊ることでしょう。でも、コーティングはカーケアのゴールではなく、あくまでもスタートでいかないことを忘れてはいけません。どんなに高性能なコーティングでも、適切なメンテナンスをしなければ効果は持続しないのです。 業者からはその後のメンテナンスについての簡単な説明があったはずですが、ほとんどの方は目の前のクルマの輝きに目を奪われてしまっていて「もうこれで大丈夫」と安心してしまうのです。
おそらく、業者側も一般のユーザーの方が忙しい時間をさいてメンテナンスを続けることの難しさは分かっているかもしれません。 でも、業者としてはメンテナンスの必要性を伝えなくてはなりません。そこで重要になるのが「メンテナンスキット」。キットの中には必要なクリーナーの他に使用マニュアルも入っています。
ここで質問です。
そのメンテナンスキットの使い方を業者からちゃんと説明してもらいましたか?
この回答が「Yes」の方は優良業者に施工してもらったのだと思います。その業者に教えてもらった通りにメンテナンスキットを使ってアフターケアを続けてください。ただ、「No」の方、つまり、渡されただけで使い方の説明をしてもらっていないなら、そのメンテナンスキットは業者としての「リスクヘッジ」でしかないと理解してください。悪質な業者になると手渡しすらしないで、黙ってトランクに置いてあった、なんてケースも多々あるようです。
お客さまの側からするとただ渡されただけでは本来の役割は果たしませんが、このメンテナンスキットを受け取った瞬間に、コーティングの保証書に記載されている「メンテナンスキットを使ってメンテナンスしていること」という保証条件を承諾したことを意味しますので、業者側としては渡すだけでも十分に役割を果たしたことになるのです。 メンテナンスキットは生命保険や損害保険でいうところの重要事項説明書や保険約款に該当すると考えると良いのかもしれません。
よもや「メンテナンスキット」の中身がただの水でした、なんてことはあり得ませんが、「コーティングしたらこんなキットまでサービスしてもらった!」なんて喜んでいる場合ではありません。 受けとる前に使い方等の説明をしっかり受けて、そしてちゃんと使ってください! 十分な説明を受けられなかった方、説明は受けたけど、どうしても続けられない方は、洗車教室を受講いただければしっかりお伝えします!