洗車の頻度を下げる秘策なんて無い

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ガラスコーティングやカーケア用ケミカル等の謳い文句はたいていこのパターンです。

「撥水効果長持ち○か月!」
「洗車だけで○年持続します!!

それぞれのクルマの保管状態や使用状況を考慮せず一括りに持続期間を記載してしまうのは如何なものかとは思いますが、こういった表記はカーケア用ケミカルの世界では一般的です。ただ、ほぼ間違いなくこんな注意書が小さな字でひっそりと書いてあります。「当社実験による」と。

ちなみに、屋内ガレージ保管で雨の日は走行しないことを徹底している場合や、月に数回程度しか乗らないというクルマでもなければ、通常の使用環境下では商品のパッケージに記載している持続期間には到底及ばないと考えるのか賢明です。ただ、こういった謳い文句の本当の問題は持続期間自体の話では無く、同時に記載されているこういった謳い文句にあります。

汚れも水も弾くから洗車の頻度が減らせます!

極めて抽象的な記載であると言わざるを得ません。何と比べて「減らせる」と言っているのかまったく理解できません。単なるイメージでしかありません。そもそも、世の中の大半の方の洗車の頻度は、クルマの美観を維持できる水準に達していないのが実情です。それを更に減らさせてしてしまうことがどれほどのリスクを抱えているかを、そのカーケア用品メーカーは認識しているのでしょうか?️そんな謳い文句を真正面から信じて本当に洗車の頻度を下げてしまい、クルマに付着した汚れを放置したことでクルマのボディに多数のシミができてしまったら、そのカーケア用品メーカーはどうやって責任を取るつもりなのでしょうか?️

ただ、大手のカーケア用品メーカーはそういったことに対する対策には抜かりがありません。商品の重要事項説明書等に、社内実験上の数値であることや使用環境により異なるとの記載をしているのが普通です。つまり、最終的な責任の所在はそれを読まなかった消費者にあるのであって、カーケア用品メーカー相手に賠償請求なんてしても勝てるわけはありません。

当社に定期仕上げをお任せいただいているクルマの大半はガラスコーティングが施工されています。それでも、毎月定期的に3時間以上の時間をかけて隅々まで仕上げることで、なんとかそのクルマの美観を維持できている状況です。クルマの美観維持は本当に大変なのです。

こういう無責任な謳い文句を掲げるサービスや商品は、同じカーケア業界に身を置く当社としては非常に残念です。 ちなみに、そういう謳い文句をする業者の多くは、コーティング施工直後のボディや窓ガラスに水をかけて流す動画を見せたがります。でも、施工直後に水を弾くのは当たり前です。肝心なのは○年後にどうなっているかだと思いませんか?

愛車の輝きを維持したければ、近道を進もうとせずに愚直に努力を重ねるのみです。