カーケアにおけるインフォームド・コンセント(説明と合意)

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クルマの ヘッドライト の黄ばみの原因は、樹脂レンズ表面のクリア塗装の劣化です。そして、それを解消する方法は、劣化したクリア塗装を剥ぎ取るしかありません。剥ぎ取り方は、研磨して削ぎ落とすか、強力な薬剤で溶かしてしまうかのいずれかです。劣化部分を剥ぎ取るので、ヘッドライトは確実にキレイになります。

ただ、問題なのはその後です。

ヘッドライトのクリア塗装は、樹脂レンズ表面を保護するためのものです。それを、強制的に剝ぎ取ったのですから、再度クリア塗装を施すのが理想です。ただ、再塗装は費用も高額なので、ガラスコーティングを施工するのが一般的なようです。ただ、クリア塗装とは違って、短期的な処置に過ぎないことをご理解ください。

そして、いずれコーティング皮膜は喪失し、樹脂レンズが剥き出しになってしまいます。その時に、どのようなことが起こるかは、ご想像に難くないかと。数ヶ月後に、当初の黄ばみよりも酷い状態となって、黄ばみが再発するのです。

ヘッドライトの黄ばみの原因を、「経年劣化」で片付けてしまう業者は多いようです。でも、そのような業者は、カーケアについては素人であると判断すべきです。

ヘッドライトレンズの黄ばみの直接的な原因は、レンズ表面のクリア塗装の劣化です。ただ、その根本的な原因は、レンズに付着した汚れを長期間放置したことです。厳しい言い方になりますが、そのクルマのオーナーが定期的な洗車をしなかっただけのことなのです。定期的な洗車により、レンズ表面に付着した汚れを除去していれば、10年経過してもヘッドライトレンズは黄ばみません。

オーナーにとっては耳の痛い話であるはずです。しかし、本当の原因をご理解いただかなければ、再発リスクと再発防止方法もご理解いただけません。それらをご理解いただかかないまま、一時的にキレイにしたところで、その後も再発と再施工の無限ループに陥るだけです。

ガラスコーティングの効果が、1年以上持続すると説明する業者が多いようです。ただ、現実的には、数か月持続すれば幸運だと考えるのが賢明です。なお、それは、定期的に洗車る場合の話です。定期的な洗車をせずに放置すれば、1~2か月以内でコーティング皮膜は喪失すると考えるべきです。

この話は推測で書いているのではありません。ヘッドライトクリーニングを実施して、一時的にヘッドライトの輝きを取り戻したものの、数ヶ月後に再発してしまった方から多数のご相談を受けています。そのような悲しい想いをされる方を、一人でも減らしたいので書いています。

ヘッドライトクリーニングに関する広告は、インターネット上でも頻繁に目にすると思います。でも、その広告の中で、黄ばみの本当の原因や、施工後のリスクの説明はされていますか?

当社は、顧客に対してあらゆるリスクについても十分な説明をした上での合意、つまり 「インフォームド・コンセント」は、 医療の世界だけではなく、カーケアの世界でも求められるべきだと考えています。

ヘッドライト クリーニング