ヘッドライトは経年劣化では絶対に曇らない

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スーパー銭湯で洗車サービスの仕事をしていると、ほぼ毎日のように、ヘッドライトの黄ばみやくもりに関するご相談をいただきます。 ほとんどの方がまず最初に施工料金の質問をされますが、洗車の料金の時とは反応がかなり違います。洗車の場合だと1万円なんてお答えした瞬間に「それは高いっ!」とおっしゃるのにヘッドライトクリーニングの場合だと1万円と答えてもあまり驚きません。それくらい、ヘッドライトの黄ばみやくもりに対して悩まれている方は多いということなのでしょう。

そのスーパー銭湯でヘッドライトクリーニングに多くの方が関心を示されるのも無理はありません。なぜなら、当社が銭湯の1階玄関にヘッドライトクリーニングのビフォー&アフターを見せるためのオブジェを展示しているからです。ただ、こんなオブジェを展示しているにも関わらず、そのスーパー銭湯ではヘッドライトクリーニングのご依頼のほぼ100%をお断りしているのが現状です。もちろん、最初からお断りする前提でこのようなオブジェを展示しているわけではなく、お客さまと話した結果、双方に合意すればご依頼を承ることにはしてます。とはいえ、じっくり話した結果、ほぼ100%のお客さまが施工依頼を取り消されます。当社がお客さまにお伝えする内容は以下のようなものです。

  • ヘッドライトの曇りの直接的原因は樹脂レンズのクリア層の劣化であること
  • クリア層劣化の根本的原因は経年劣化ではなく汚れの放置であり、適時適切な洗車をしなかったこと
  • 研磨や強力な薬剤の力で強制的にキレイにしたとしても必ず再発リスクが伴うこと
  • 再発防止のためには適時適切な洗車を続けなければならないこと

単純に売上を増やすことだけを考えるならば、ヘッドライトの黄ばみやくもりの原因を経年劣化で片づけてしまうことが手っ取り早いのかもしれません。モノの美観を維持する上で経年劣化は避けられないと考えるのが世間の常識であり、ヘッドライトの黄ばみやくもりを解消するには研磨等をしたり、ヘッドライトそのものを買い換えるしかないという話にしてしまえば話は簡単です。ただ、お客さまに本当の原因が、お客さまが適時適切な洗車をしなかったということを認識させられていないのですから、そのお客さまはその後も同じことを繰り返すことになるのでしょう。この再発リスクについては、ほとんどのカーケア業者が説明をしていないと思われます。

ヘッドライトの黄ばみやくもりで悩んでいる方にしてみれば耳の痛い話だと思いますが、ヘッドライトを黄ばませてしまった方は、適時適切な洗車ができない方であることが証明されているので、ほぼ間違いなく再発させてしまうことになります。クリア層が剥ぎ取られて剥き出しになったヘッドライトの樹脂レンズは数ヶ月後には、施工前よりも酷い曇りになってしまう可能性が高いです。なお、多くのカーケア業者が研磨後に施工するガラスコーティングの効果なんてもって数か月だと考えるのが賢明です。

お客さまとこのようなお話をさせていただき、ヘッドライトは経年劣化では黄ばんだりくもったりしないことをご理解いただき、その後は適時適切な洗車を行なって再発させないで済みそうだと確信できた方か、当社に毎月洗車をご依頼いただける方の場合しか、ヘッドライトクリーニングはお受けしないことにしています。一時的にぬか喜びさせただけで、その後に地獄を見るような麻薬のようなサービス提供の仕方は、当社としては提供しないスタンスです。