コーティングを維持することの難しさ(1)

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洗車の作業が楽になるという理由で自動車販売店やコーティング業者等からガラスコーティングの施工を勧めらた方は多いのではないでしょうか。

でも、そこでいう「楽」は「作業が楽になる」のではなく、単に「気が楽になる」だけかもしれません。 当社が定期仕上げをお任せていただいているクルマの大半は、納車前にガラスコーティングを施工されているようですが、当社はコーティング非施工車と同様に毎回3時間以上の時間を費やして仕上げています。作業内容や作業手順もコーティング非施工車と一切同じです。

とはいえ、ご自身で洗車をされる方にとっては、コーティング皮膜の存在により「気が楽になる」というメリットはあるかもしれないと思います。極端な言い方にはなりますが、少々乱雑に作業したとしても、コーティング皮膜が犠牲皮膜となって塗装面を洗車キズから護ってくれるからです。いわば精神的な安心感といったものでしょうか。

ただし、残念ながらコーティング皮膜の残量は目視不可能なので、本当にその時点で皮膜により保護されているかどうかは分かりません。実際に見ることができるのは、作業後に塗装面についてしまった洗車キズだけです。それを目にした時、コーティング皮膜が既に無くなっていたことを確認することができるのです。

納車後の保管状況や使用状況等も確認せずに、「1年持続する」と自信満々に謳っているコーティング皮膜を本当に1年持続させるためには、どれほど大変なケアが必要であるか想像がつきますか。コーティングすれば洗車が楽になりますと甘い言葉だけ言って、肝心なアフターケアのアドバイスもしてくれないような業者の言葉は軽く聞き流して、目の前のクルマの状態を常にチェックしてあげてください。そんな甘い言葉を平気で口にする業者の担当者は、自分のマイカーの輝きすら維持できていないような方かもしれません。

せっかく高いお金を払って施工したコーティングを1日でも長持ちさせるために、洗車時に安心して漫然と拭き取ったりするのは絶対に止め、コーティング皮膜なんて無いものと考えて、常に「ゆっくり、優しく、丁寧な作業」を心がけてください。

コーティング皮膜は貴方の想像以上に繊細です。