【洗車講座③】 『バケツ1杯の水』が守る愛車の輝き

前回、洗車に対する考え方を変えることで『苦行』イメージを払拭し、洗車のハードルを下げることが出来るというお話をしました。その中で『バケツ1杯の水』の洗車ならば、洗車のハードルを低くすることができると共に、その方法が、愛車に1番優しい洗車であることもお伝えしました。

当社が行っている『バケツ1杯の水』の洗車では、水洗いするのにカーシャンプー等の洗剤は一切使いません。使うのは、ただの水と柔らかいクロスだけです。

多くの方が『水洗い』と聞いてイメージするのは、ホースや高圧洗浄機でクルマ全体に放水した上で、スポンジとカーシャンプーで泡だらけにして汚れを落とし、最後に流水で泡を流すというものだと思います。この方法では、カーシャンプーの成分を全て流しきらないといけないので、当然のことながら大量の水が必要になります。この水洗いの方法に疑問を感じる方はいないはずです。誰もが疑わない洗車の『常識』は、ここでも大きな影響を及ぼしています。 

クルマに限らないのですが、汚れを落とすには洗剤を使うのが普通の発想、つまり『常識』です。また、誰もが当然の如くクルマ全体に水をかけるのは、そうしなければボディにキズがつくと感じているからです。きっとこれも洗車の『常識』なのでしょう。でも、クルマのボディは洗剤なんか使わず、ただの水だけで洗っても、かなりキレイにできるのは紛れもない事実です。温浴施設で洗車している際に、最初の工程の「ただの水だけで行う水洗い」を終えた段階でも、通りががりのお客さまは、たいてい「ピッカピカね~🎵」とおっしゃいますから(笑)

そして、洗車キズの問題です。ほとんどの方は、洗車キズは洗っている最中についてしまうものだと理解しているようです。だから、流水で汚れをある程度流してからスポンジで擦ればキズがつかないと考えるのです。でも、実際には洗車キズの大半は、水洗いの最終段階の『拭き取り作業』でついてしまうのです。どんなに丁寧に水で汚れを洗い流しても、ボディに優しくない方法で水滴を拭き取ってしまえば簡単にキズがついてしまいます。優しくない方法の代表が『乾拭き』です。プロの洗車業者は、水洗いの作業で乾拭きは絶対にしません。十分水に浸した柔らかいクロスを硬く絞って、吸い取るように水滴を拭き取ります。

つまり『バケツ1杯の水』で水洗いするから洗車キズがついてしまうというのは、要らぬ心配ということになります。多くの方がイメージした水洗いが『愛車に優しい洗車方法』なのかどうかについては、改めて考えてみてもいいと感じていただけましたか⁉

さて、話を少し戻します。

さきほど、洗剤を使わなくてもクルマのボディはキレイにできると申し上げました。ただ、当然のことながら、クルマのボディには頑固な水アカや鉄粉等、水だけでは落とすことができない汚れが沢山付着しています。これを何で落すかということが重要です。

洗剤は確かに便利です。カーケア用品メーカーが販売しているカーシャンプー等の洗剤は非常に強力ですので、これを使えば、たいていの汚れは簡単に落とすことができます。ただ、この強力な成分が問題なのです。この強力な洗剤の成分が、ボディに少しでも残ってしまったら何が起こるかご想像できますか⁉

水洗いの終盤では、ホースの流水や高圧洗浄機でカーシャンプー等の洗剤を洗い流されていると思います。でも、ボディ全体に放水する方法では、表面の洗剤は流しても、ボディ細部に水と一緒に流れ込んでしまいます。これが後々ボディに流れ出してくるのです。また、洗剤の成分を含んだ水滴を拭き取る前に乾いてしまった場合は、その部分に洗剤の成分が残留することになります。冬季でもない限り、ボディ全体の水滴を乾く前に拭き取ることは絶対に無理だと思ってください。

この洗剤の成分の残留物が、多くの方を悩ませるイオンデポジット等のウォータースポットの原因になってしまうのです。毎月のように頑張って洗車しているのに、ボディに無数の輪ジミができてしまって悩んでいる方は、カーシャンプー等の洗剤の成分の拭き残しが原因かもしれないと考えてみてください。ミニバンや軽ワゴン車等のフラットなルーフ部には多数の輪ジミが出来てしまっていることが多いです。

カーシャンプー等の洗剤は『両刃の剣』だということをご理解ください。

こういった理由で、当社はカーシャンプー等の洗剤を使わないことにしています。水だけで落せない汚れは、クリーナータイプのワックスで簡単に落とすことができます。この方法なら、クルマのボディに不純物を残すことがないので、洗車することによってボディに輪ジミを作ってしまうといった悲劇的な事態は避けることができます。

ボディ全体に水をかけることは、メリットよりもデメリットの方が大きい。だから、『バケツ1杯の水』で、狭い範囲ずつ確実に水洗いを行う。カーシャンプーは、クルマのボディにとっては『両刃の剣』。だから、クリーナータイプのワックスでリスクを回避する。

その結果、
洗車場所に水道は要らないので何処でも出来る。
全体に放水しないから途中で止めることも可能。

だから、空いた時間で気軽に洗車が出来る。
だから、ずっと続けることができる。
だから、愛車の輝きを保つことができる。

貴方の愛車の輝きを維持するために、何か不足していることはありますか?

最後にひとつ。
最近は『バケツ1杯の水』の洗車と同様に、ケミカルをスプレーで吹き付けるだけの便利な洗車も脚光を浴びているようです。常時屋内に保管していて、コーティングがばっちり効いているクルマならこの方法でも問題ないとは思うのですが、青空駐車でそれなりに汚れているクルマにこの方法で洗車するのは、プロとしてはあまりオススメできません。

洗車で大切なのは、『キレイにすること』だけではなく『できるだけキズをつけないこと』です。洗車のハードルを下げるという意味では非常に共感を覚えるのですが、ハードルを下げることと、必要な手間を省くことは違うのではないかと考えています。やはり、水洗いは絶対に必要なプロセスだと考えます。

また、話が長くなってしまいました。

次回は、クリーナータイプのワックスを使った汚れ落としについてご説明させていただきます。

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2016年12月14日