コーティング依存症にご注意

コーティング依存症にご注意


謳い文句は「○年間メンテナンス不要!洗車だけでOK!」。

「だけでOK!」という言葉の響きは「簡単さ」をイメージさせる言葉です。でも、本当に洗車はそんなに簡単な作業なのでしょうか?ちなみに、当社は中型車1台の洗車に約2時間かけています。コーティングしていても車は汚れるので、月に1回は念入りな洗車が必要です。

コーティングしているという安心感が汚れを長期間放置させてしまいます。洗車なんてしている時間もないし、炎天下や極寒の中で洗車したくなんかありません。コーティング業者に勧められて購入したメンテナンスキットもトランクで眠っています。でも、できるだけ手間をかけなくていいように高いお金を払ってまでコーティングしたのですから当然の結果です。

コーティングは楽をして大切な物を守りたいという心理を見事に捉えた商品です。でも謳い文句を「ちゃんと洗車を続ければ○年間メンテナンス不要!」と言い変えると、とても負担なものに感じませんか?洗車を続けることの難しさはご想像に難くないと思います。

厳しい現実ですが、コーティングを維持できている方はほんの一握りの方だけです。ご自身で、もしくは業者に依頼して正しいケアを続けていらっしゃる方だけです。エンジンの高熱で焼けるボンネット、真夏の炎天下や極寒の空のもとでの高速走行、酸を含んだ鳥の糞や虫の死骸は当たり前のように付着するのが車です。そんな車の輝きを、手間暇かけずに維持できる夢のような特効薬は残念ながらありません。

コーティングしてから1年も経っていないのに、どうしてボディにシミや小キズが増えるのでしょう?コーティング被膜を見ることはできませんが、シミや小キズは見えるはずです。「コーティングなんてもう残ってないのかな?」というお気持ちからどうか目を逸らさないでください。

でも、残念ながらコーティング業者に文句を言っても何も補償してくれません。
「ちゃんと定期的に洗車していましたか?」と聞かれて「はい」と答えられますか?

本当に怖いのは、この後です。

コーティングがもう残っていない現実をコーティング業者から説明されて意気消沈しますが、コーティング業者が救いの手を差し伸べてくれます。そうです。「鏡面磨き」です。ボディについてしまったシミや小キズを綺麗に消して鏡のような塗装面に戻してくれるというものです。

ポリッシャーという機械とコンパウンドで塗装面を研磨します。つまり塗装面を削ってシミや小キズを消すというもの。削るといっても「必要最小限ですよ」との説明を受けて安心します。たしかに、熟練した職人なら削る厚さはある程度コントロールできると思いますが、作業前の時点で残っている塗装面のクリヤー層の厚さまで分かるのでしょうか?

塗装面の研磨は、もはやボディケアの領域ではありません。人間でいえば整形手術のようなものです。輝きを取り戻す効果はありますが、リスクもあるということを十分ご理解ください。クリヤー層が無くなってしまったら再塗装することでしか車の輝きは取り戻せません。そして、研磨でクリヤー層を失っても、その上にコーティング被膜を作ってしまうので、この事実が判明するのは数か月後でしょうか。

「そんなことは分かってるよ!」とおっしゃる方もいるでしょう。でも、一度、研磨で輝きを取り戻せることを知ってしまったら、多くの方がこの負の連鎖を繰り返してしまいます。新車購入後、数年しか経過していないのに毎年のように研磨をしてしまった結果、ボンネットや屋根の塗装が不自然に禿げてしまった車も何台も見ています。

愛車の輝きを取り戻すために、大切な塗装面を削るのって違和感ありませんか?


コーティングしている方の中には、「コーティング>洗車」と同列で考えている方もいらっしゃるようです。ワックス洗車なんて時代遅れというイメージもあるようです。でも、コーティングと洗車は目的が全く異なるものです。
どんなに優れたコーティングをしても定期的な洗車は絶対に必要です。

ちなみに「水洗いだけで大丈夫!」とも説明されるようですが、あくまでもコーティング被膜が残っていれば、の話です。既にコーティング被膜が無くなっているのに「水洗い」だけでは車のシミは増える一方です。

当社のような洗車業者からすると、コーティングがなくても定期的に洗車を続ければ、車の輝きを維持することはできますが、「コーティングがあると洗車が楽になる」といった感じですので、新車購入時は予算に余裕があればコーティングをされることをオススメします。

 

以上

 

2016年01月18日