コーティングを維持することの難しさ(1)

クルマにコーティングをすると洗車の作業が楽になると業者に言われて、それを素直に信じている方は多いと思います。でも、その「楽」は「作業が楽になる」ではなく単に「気が楽になる」だけかもしれません。

当社が月極定期仕上げをお任せていただいているクルマの大半は、ガラスコーティング施工車(とオーナー様経由で聞いています)ですが、非施工車同様に、毎月3時間程度の時間をかけて仕上げています。作業手順もコーティングを施工していないクルマと何ら変わりはありません。 むしろ、コーティングが施工してあると聞かされているクルマの方がより慎重になるため、余計に時間がかかるかと言っても過言ではありません。コーティング皮膜がそれなりの硬度をもっていたとしても、塗装面に比べればはるかに柔らかく脆いですから、それを維持していくためには、より丁寧な作業が求められると考えるからです。

ただ、これはあくまでもプロの目線ですので、オーナー様ご自身で洗車される場合においては、コーティング皮膜の存在により「気が楽になる」というメリットはあるかもしれないと思います。端的にいえば、少々乱暴に作業しても、コーティング皮膜が「犠牲皮膜」となって、塗装面を洗車キズから守ってくれるからです。いわば精神的な開放感といったものでしょうか。

ただ、残念ながら、コーティング皮膜の残量は目で確認することが出来ません。目で見ることが出来るのは、塗装面に出来てしまったキズやシミだけです。それを見た時、コーティング皮膜が「無くなっていたこと」を知ることができるのです。

実験室での耐久テストの結果、1年持続するというコーティング皮膜を、本当に1年持続させるためには、どれほど大変か想像つきますか?

コーティングすれば「洗車が楽になります」と甘い言葉だけ言って、肝心な洗車方法のアドバイスもしてくれない業者の言葉は軽く聞き流して、目の前の現実だけに目を向けてください。そんな甘い言葉を平気でいう業者は、自分のマイカーもまともに洗車してない方かもしれませんよ(笑)

せっかく高いお金を払って施工したコーティングを1日でも長持ちさせるために、安心しきって漫然と拭くのはやめて、『ゆっくり、優しく、丁寧な作業』を心がけてください。コーティング皮膜は思う以上に繊細です。